Notes photos and somethin bout this Big Circle

231016 Taipei Taiwan

いってきますと言って先ほど陳さんは出勤した。台北に来てからはじめての平日だ。1人リビングのソファに座って、さあて何をしようかなと考える。窓から見える空は晴れ晴れとしている。市内にある有名な観光地を歩こうと出掛けた。

日差しの眩しい、半袖でも汗ばむほどの陽気だ。出勤するサラリーマンが早足に改札に吸い込まれていく。やってきたメトロに乗り込んで、中正紀念堂駅に到着する。台湾の観光地といえばの1つにあがるだけあって、駅構内からすでに、英語、日本語、韓国語、タイ語などが聞こえてくる。

明治神宮の鳥居を3,4つ並べた大きさの正門があり、巨大なコンサートホールが南北それぞれに位置している。軒裏の赤青黄緑で彩られた装飾が美しい。陽射しを浴びて本堂の大理石が白く輝いている。修学旅行なのか学生が団体写真を撮っている。皆同じ台湾国旗カラーの体操着を着ているから現地の学生だろう。

ほど近くの総統府にも訪れたが、一般参観は午前中で終了だと警備の男に言われてしまった。日本統治時代に造られた建物だから東京駅のような赤い煉瓦に白のラインの入った様式で建てられている(辰野式と言うらしい)。他にも同様の方式で建てられた建物がこの辺りには多く、政府系の機関になっているようだった。

日差しは変わらず強く、腹も減ってきたので昼飯にしよう。Google mapは今どき便利だが、頼りすぎても味気ないと思い、自分の足で探すことにした。歩いているうちに、サラリーマンらしき人が増え、気が付けばオフィス街の中にいた。ちょうど昼時だからお店や屋台やらによく人が並んでいる。都内のオフィス街と変わらない平日昼時の景色だ。高層ビルに囲まれた細道から、ちょうど食べ終えただろう人が何人も出てきているのを見つけた。これはいい場所だと、誘われるようにその路地へと入って行った。

厨房からの煙に古びた看板、鍋を回す音に客寄せの掛け声、中小のお店がひしめき、人の並んでいる人気店もある。黙々と食べる人々のテーブルを見ると米や麺や惣菜や、美味しい匂いが漂っている。どれも美味そうだった。

人の並ぶお店のひとつに、肉、野菜などの惣菜が8つほど店先のに並び、紙のボックスに選んだいくつかの惣菜とご飯とを一緒に詰めている店がある。惹かれたが、注文する仕組みと値段が見ていても理解できず、次回にしようと諦めた。ひと席カウンターが空いていた中年の女性が切り盛りする麵屋に決めた。料理と値段が丁寧に書いてあるメニューが渡され、何か分からなかったが”清油抄手麵”を注文する。おそらく清油はあっさりしているだろうと何が出てくるか予想していると、すぐに料理が運ばれてきた。澄んだスープにワンタンのようなものが入った麺だ。なるほど、抄手とはワンタンのことなのか。素朴ながらも、馴染みのあるあっさりとしたスープに細麵。抄手もあるから十分満足して会計をした。60元だ。謝謝と伝えこの昼食通りを後にした(以後ここが昼食の拠点となった)。

街の人の流れに沿って歩き始めると、サラリーマンたちの憩いの場となっているだろう公園に辿り着いた。都内に勤めていた時、昼休みの時間が好きだった(もちろん仕事も好きだった)。弁当を買って適当な公園を選んではベンチで過ごしていた。その似通った時間がこの場所でも流れているような気がする。入り口にはチェロを演奏する中年の男性がいた。残念ながらチップは思うように稼げていないようだ。私の座るベンチ隣の女性もこのあたりに勤めているのだろう。背広をきた2人組の男女は同僚かカップルか。

龍山寺までも歩いたが、囲碁のようなものを路上でやっている年老いた男達を気ままに眺めていた。龍山寺前は路上生活者の溜まり場になっているらしく、彼らの憩いの場であった。囲碁大会並みに各地で盛り上がりを見せている。眺め甲斐のある景色だった。

夕方になれば中正紀念堂まで戻って、冷たくなった大理石の階段に腰掛け、夕焼け空を1人で眺めた。はじめの国を台湾にしたのは理由がある。高校の修学旅行で訪れた私の初めての海外がここ台湾だった。17歳の頃、海外との繋がりと言えば、iPod touchから聞くOne directionやTaylor SwiftやAviciiだけだった。中正紀念堂にも来たはずだが、不思議と懐かしさやあの頃何を考えていたのかは思い出せない。ただ海外というものは遠く、まるでフィクションのように自分からかけ離れた世界だったと振り返れば思う。

そろそろ暗くなるぞと立ち上がって、陳さんの待つ家へと帰った。

外食へと連れられて陳さんの向かったお店は、昼間に見かけたような肉や惣菜を選んで一皿に盛るお店だった。やはり肉を1種選んで、カウンターにある複数もの惣菜からあれこれと選ぶようだ。値段は肉の種類によって決まるらしい。お店後方にある汁と薬味はいくらでもそこから取ることができる。お得ですねと言うと、自慢げな笑顔を見せる陳さん。2人で笑って食べた。

コメント

“231016 Taipei Taiwan” への1件のコメント

  1. eriのアバター
    eri

    いいね、いいね、始まったね!まるの文章雰囲気が伝わってくる!

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