朝食に肉圓を食べる。日本語で綴るならバーワンとなる。透明感のある皮に豚肉と筍の餡が包まれている台湾定番の朝食だ。甘辛いとろみのあるタレがかかり、独特な見た目をしているが、味は申し分なく美味しい。早くにも関わらず並ぶ人がいて、前に並ぶサラリーマンの男性に注文を助けてもらった。
豪勢な食事は取らなくとも、旅では美術館や博物館には訪れたい。特に台湾には世界的に有名な博物館である故宮博物院があるから尚更だ。市内からは電車とバスを利用して30分程で辿り着いた。昨日は失敗に終わったが、バス停の〇〇線何分と電光掲示板に表示があることを確認し、行き先である故宮博物院の故宮という文字がバス前方に表示されていれば乗り込めばいい。山沿いの市内から距離のある場所にあるから歩いて向かうには手間がかかる。
入場料は350元。変わらずここも広々とした建物の造りになっている。すべての展示をまわるのには時間がかかりそうだと入ってすぐに分かった。どの展示室から見始めるべきか、動線も何もないため、しばらく彷徨った。
数ある展示品の中で、特に私が熱心に眺めたのが「肉形石」だった。赤碧玉から作られた彫刻だが、縞模様を活かして豚バラ肉の角煮を再現している。石の持つ硬さや冷たさからは想像もつかない気韻と、対照的な味わいが展示ケースのガラス越しにも伝わってきた。
細かい毛穴すらも表現されている。並外れた技術が必要なのだろう。しかし、技術力というよりも、匠自体に石を見て豚バラにしようと思った遊び心に私は惹かれてしまった。直感的に豚バラにしようと思ったのだろうか。それとも昼食を食べていて思いついたのだろうか。すでに石が角煮らしい身なりをしていたのか。
ipadに夢中の小さな子供たちを横目に、昼食も取らず15時頃まで各展示を丁寧に観覧していた。それだけの量の展示を見続けても飽きが来ない多彩な美術品、工芸品が揃っていた。帰宅後、頭の整理を兼ねて調べてみると、宋、元、明、清王朝の歴代宮廷が所有した至宝を中心に約69万点もあり、2万点ほどを展示していたと驚いた。
夕食には陳さんが控肉飯を食べられる街の食堂に連れて行ってくれた。久しぶりに訪れるらしく、店員の女性と世間話を始めている。控肉飯とは豚の角煮の乗ったご飯である。これも匠の技で味わい深く仕上がっていた。
231018 Taipei Taiwan

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